中央区赤坂|1977年創業。変わらない一杯を守り続ける、深煎り珈琲『珈琲美美』
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目次
深煎りとネルドリップで紡ぐ、珈琲美美の49年

今月で49年目を迎えられた『珈琲美美』。
大濠公園と護国神社のすぐ近く、けやき通り沿いの自然豊かで静かな場所に店を構えています。

1階が焙煎と珈琲豆の販売スペース、2階が喫茶室という造り。焙煎の香りを感じながら、階段を上って喫茶室へ向かいます。

もともとは今泉で32年間営業され、今の場所へ移転。マスター・森光宗男さんが「美術館や公園があるところでお店を開きたい」と思っていたところ、この場所と出会ったそうです。もとは家具店だった建物の山側にも大きな窓を設け、光と緑を取り込む心地よい空間が生まれました。

現在は、奥様の充子さんと娘さんがお店を引き継いでいます。結婚を機にマスターの淹れる深煎りのネルドリップに魅了されたという充子さん。マスターが東京のお店で修行を重ね、自家焙煎・ネルドリップの専門店として築きあげてきた味と哲学を今も変わらず守り続けています。

自家焙煎の深煎りモカを、ネルドリップで丁寧に

この日いただいたのは、『ブレンド珈琲 / 中味』。 「ハラール・モカ」をベースにした、珈琲美美を代表するブレンドです。 バランスの取れた香りに、やさしい甘み、コクと苦味が穏やかに重なり合い、口当たりはとてもなめらか。飲み終えたあとも、ふくよかな余韻が静かに続きます。

このやさしい口当たりを支えているのが、ネルドリップ。珈琲美美では、創業当時から変わらずネルドリップで珈琲を淹れています。
ペーパードリップでは落ちてしまう油分を通すことで、角の取れたまろやかな口当たりに仕上がるのが特徴です。
カウンター席から抽出の様子を拝見すると、一杯一杯に向き合う、実に丁寧な仕事ぶりが印象的でした。

ネルドリップは、充子さんお手製のもの。店頭で販売もされています。
お手入れの基本は、乾燥させないことと、お湯洗いをしないこと。家庭で使う場合は、使用後に水洗いをし、湿らせたままジップロックなどに入れて冷蔵庫で保管。使う前に水で湿らせ、タオルで軽く拭き取ることで、繰り返しおいしい珈琲が楽しめるそうです。
珈琲美美の由来は?

店名の「美美」は、美み美ごとという、マスター・森光宗男さんが考えた造語に由来します。
“美味しい”、そして“美しい仕事”——。
その言葉通り、珈琲美美では豆選びから焙煎、抽出に至るまで、ひとつひとつの工程を丁寧に積み重ねてきました。深煎りでありながらやさしい後味、ネルドリップならではのまろやかさ。その一杯から感じられる誠実さこそが、「美み美ごと」という名に込められた想いなのだと感じます。
光の差し込む窓辺で味わうフルーツケーキ

珈琲美美で珈琲と一緒に楽しみたいのが、フルーツケーキ。
しっとりとした生地に、7種類のドライフルーツの味が深煎りの珈琲とよく合います。甘さは控えめで、最後まで珈琲の余韻を邪魔しません。

全面の窓から差し込むやわらかな自然光が、喫茶室に静かな時間をもたらし、思わず長居してしまう居心地のよさがあります。

開業当初は、ここまで長く続けるつもりはなかったそうですが、店は今も変わらず続いています。
今と昔で変わったことを尋ねると、返ってきたのは「何も変わらない」という言葉。
珈琲の味も、空間も、流れる時間も、昔から大きく変わらない。
その変わらなさが、訪れる人に安心と、特別な一杯を届けているのだと感じました。
店舗情報
- 店舗名
- 『珈琲美美』
- 住所
- 福岡県福岡市中央区赤坂2-6-27
- 営業時間
- 12:00 ~ 17:00
- 電話番号
- 0927136024
- 定休日
- 月・火曜
- bimi_coffee
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